こんにちは、モモです。
茶道ではお点前が始まるときや
お茶をいただくときなど、
多くの場面でお辞儀をします。
でも、そのお辞儀には種類があるって
ご存知でしたか?
今日は、茶道における「お辞儀」について解説しちゃいます!
裏千家・茶道で行う「お辞儀」には種類がある?意味は?
和のお稽古ごとは
「礼に始まり、礼に終わる」
と言われるように、
相手への敬意を重んじると同時に、
その表れとしてお辞儀をする場面があります。
もちろん茶道でも、お稽古の前には
扇子を前に置いて、先生に挨拶をします。
ですが、お稽古だけでなく、お茶席でも、
お点前が始まる時やお茶をいただく時、
さらに床の間を拝見する時など、
さまざまな場面でお辞儀をします。
もしかしたら、茶道以上にお辞儀をする
和のお稽古はないかもしれません。
それほどまでに多くの場面で行われる「お辞儀」ですが、
実は種類があり、場面によって使い分けられているんです。
その種類とは、「真・行・草」の3つ。
書道では、「真書」「行書」「草書」と言うと、
字を崩していく、というのはみなさんご存知でしょう。
この書道の筆法から転じて、茶道の世界にも
「真・行・草」の考え方が取り入れられており、
茶道のお辞儀の場合も、「真」「行」「草」の順で
簡易的なものになっていきます。
ちなみに茶道では、お辞儀だけでなく
お茶室の造りやお道具の格など、随所に
「真・行・草」による区別が見られます。
「真のお辞儀」は相手に最大の敬意を表すお辞儀で、
一番丁寧なものです。
「行のお辞儀」は「真のお辞儀」を簡略化したもので、
それをさらに崩した「草のお辞儀」は、
会釈に相当するものです。
ただし、「行のお辞儀」や「草のお辞儀」でも
相手を敬う気持ちや感謝をする気持ちに代わりはありません。
お辞儀の形式は違えど、どのお辞儀でも
心を込めて行うことが肝心です。
特に亭主の場合は、お辞儀の際には、
お客様より先に頭を上げることのないよう、
心を込めてゆっくりと動作を行いましょう。
「真・行・草」のお辞儀はどうやる?
茶道では、お辞儀は基本的には
畳の上に正座をした状態で行います。
「真・行・草」それぞれのお辞儀は、
そのやり方が形式として定まっていますので、
基本となる「型」を覚え、お稽古やお茶会で
自然で堂々としたお辞儀を披露しましょう。
1. 真のお辞儀
まずは「真のお辞儀」です。
膝の前20cmくらいのところに、
両手の人差し指同士を軽く付けた状態で、
手のひらを全て畳に付けます。
指先から始まり、手のひらが畳につくのに合わせて
体も自然に前に傾いていくようにし、頭を下げます。
目線は指先、胸と膝の間が拳ひとつ分くらいのところで
動きを止めて、心の中で4つ数えます。
その後、ゆっくりと上半身を起こし、
それに合わせて手のひらを畳から離し、太ももの上に戻します。
このとき、背中が丸くなったり、
反り腰になったりしないよう気をつけましょう。
「真のお辞儀」は最も深いお辞儀なので、
姿勢が悪いととても不恰好に見えてしまいます。
着物を着ていれば、帯がコルセットのように
体が曲がるのを防いでくれます。
2. 行のお辞儀
次は「行のお辞儀」です。
膝の前10cmくらいのところに、
両手の人差し指同士を軽く付けた状態で置き、
手のひらを指の第二関節くらいまで畳に付けます。
指先から始まり、手のひらが畳につくのに合わせて
体も自然に前に傾いていくようにし、頭を下げます。
目線は指先の少し遠く、胸と膝の間が拳ふたつ分くらいのところで
動きを止めて、心の中で2つ数えます。
その後、ゆっくりと上半身を起こし、
それに合わせて手のひらを畳から離し、太ももの上に戻します。
3. 草のお辞儀
最後に「草のお辞儀」です。
膝の前に、両手の人差し指同士を軽く付けた状態で置き、
指先が畳につくのに合わせて体も自然に前に傾けます。
上半身はほとんど起きた状態なので、目線は相手に向けます。
「草のお辞儀」の場合は、この姿勢のまま会話をすることもあります。
その後、ゆっくりと上半身を起こし、
それに合わせて手のひらを畳から離し、太ももの上に戻します。
手のつき方によって頭の下がり具合が変わるので、
手のひらをどこまで付けるか覚えるのがコツです!
「真・行・草」のお辞儀はどういうときにするの?
3つのお辞儀の型は覚えられましたか?
では、実際にそれぞれのお辞儀が
どのような場面で行われるのか、
その使い分け方を見ていきましょう。
「真のお辞儀」は、最も丁寧なお辞儀なので、
お点前が始まる時やお茶をいただく時など、
亭主とお客様の間で挨拶をする時に行います。
また、床の間を拝見する時にも「真のお辞儀」を行います。
「行のお辞儀」は、主に客同士での
「お先に」などの挨拶の際に行います。
「草のお辞儀」は、亭主がお点前中に
挨拶したり、受けたりする時などに行います。
そのほか、お道具の問答などの際には、
会話をするときに「草のお辞儀」のまま
指先を畳につけて会話をします。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、裏千家・茶道で行う「お辞儀」について、
- お辞儀には「真・行・草」の3種類ある
- 手を畳にどこまで付けるかでお辞儀の深さが変わる
- 3つのお辞儀は、相手や場面によって使い分ける
ということを解説していきました。
型に囚われすぎるのも良くないですが、
感謝や敬いの心を「お辞儀」という
形に乗せて表すのも大事なことです。
ぜひ3つのお辞儀を覚えて、
お稽古やお茶会に臨んでくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました♡